社内文書と社外文書の違いは?

社内文書と社外文書、扱い方を分けていますか?

企業活動において「文書」は情報伝達ツールとして欠かせません。文書には「社内向け」と「社外向け」があり、それぞれ異なる目的や注意点が存在します。誤った扱いをしてしまうと、意思疎通の混乱やトラブルに繋がる可能性も否定できません。

今回は、「社内文書」と「社外文書」の基本的な違いと、それぞれの適切な扱い方について解説していきます。

1.送り先と目的の違い

送り先

社内文書: 社員間で共有する文書
例:稟議書、報告書、議事録、指示書、マニュアルなど 

社外文書: 取引先、顧客、行政機関など、社外の人に向けて発信する文書
例:見積書、請求書、納品書、契約書、案内状、提案書、プレスリリースなど

目的

社内文書: 業務上の情報共有、指示、報告など
円滑な業務遂行、意思決定の迅速化、情報の一元管理などが目的 

社外文書: 取引の成立、契約の締結、情報提供、広報活動など
信頼関係の構築、顧客満足度の向上、企業イメージの向上などが目的

2.形式と内容の違い

形式

社内文書: 形式よりも内容を重視
・読みやすさや分かりやすさを優先
・略語や社内用語の使用も可能

社外文書: 形式的なルールを遵守し、誤解が生じないよう丁寧に記述
・読み手に合わせたレイアウトやフォントを使用
・会社ロゴやヘッダー・フッターなどを活用

内容

社内文書: 必要な情報のみを簡潔に記載
・結論から書き始め、箇条書きや図表などを活用
・関係者にとって必要な情報に絞る

社外文書: 会社や製品・サービスの魅力を分かりやすく伝える
・敬語・謙譲語を適切に使用し、丁寧な表現を心がける
・誤字脱字に注意し、読みやすい文章を心がける
・具体的な事例やデータを盛り込む

3.書き方の違い

社内文書
読み手に合わせた表現: 部署や役職などを考慮し、適切な言葉遣いや専門用語を使用
簡潔性: 必要な情報のみを簡潔に記載し、冗長な表現は避ける
分かりやすさ: 箇条書きや図表などを活用し、理解しやすい文章構成にする
社内用語: 適切なタイミングで使用することで、意思疎通を円滑にする

社外文書
丁寧さ: 敬語・謙譲語を適切に使用し、相手への敬意を払う
分かりやすさ: 専門用語はできるだけ避け、平易な言葉で説明する
正確性: 事実誤認や誤解を生じる表現は避ける
説得力: 具体的な根拠やデータに基づいて記述する
視覚効果: 写真やイラストなどを活用し、読みやすく魅力的な文章にする

4.使い分けることで生まれる効果

送り先や目的、形式、内容などを理解し、適切な書き分けることで、以下の効果が期待できます。

社内コミュニケーションの活性化: 円滑な情報共有、意思決定の迅速化、業務効率の向上
社外との信頼関係構築: 顧客満足度の向上、企業イメージの向上、取引の円滑化
法令遵守・リスク回避: 誤解やトラブルの防止、訴訟リスクの低減

社内文書と社外文書は、それぞれ異なる目的に沿って作成される文書ですが、業種業態や会社によって業界用語や独自のルール、慣習も存在します。社内文書と社外文書の書き方に関する社内規定やルールがあれば、そちらを優先しましょう。