社内文書の保管と保存はいつまで必要?
2024年9月20日
最終更新日時 :
2024年9月21日
坂井
保管と保存、いつまで必要かを考えてみましょう
社内文書は業務の円滑な遂行、情報共有や保存などを担います。適切な保管・保存が行われていないと、情報漏洩や訴訟リスク、コンプライアンス違反などの問題に繋がる可能性がある重要な資産、それが社内文書です。今回は、社内文書の保管・保存に関する基本的な知識と、適切な期間・方法について考えてみましょう。
1.保管と保存の概念
保管
- 定義: 使用頻度の高い文書を、すぐに取り出せるように管理すること
- 目的: 業務の効率化、迅速な意思決定
- 保管場所: デスク周り、キャビネット、社内サーバーなど
- 保管期間: 原則として定められていないが、業務上必要な期間は保管する必要がある
保存
- 定義: 使用頻度の低い文書を、長期的に管理すること
- 目的: 法令遵守、証拠保存、社史資料としての活用
- 保存場所: 専用の書庫、アーカイブ施設、クラウドストレージなど
- 保存期間: 法令で定められている期間 or 社内規定で定められている期間
覚えておくべきポイント
- 保管と保存は、目的、場所、期間などが異なる
- 保管はあくまでも一時的なものであり、不要になったら廃棄する必要がある
- 保存は長期的な視点に立ち、適切な管理体制を構築する必要がある
2.保管・保存期間は法令と社内規定を遵守
法令で定められた保存期間
- 商法:7年間
- 税法:7年間
- 民法:10年間
- その他、業界ごとに定められた法令
社内規定で定められた保存期間
- 会社独自の基準に基づいて定められる
- 法令で定められていない文書や、法令で定められた期間よりも長い期間保存が必要な文書を対象とする
保存期間を定める際のポイント
- 法令遵守
- 訴訟リスクの回避
- 情報漏洩リスクの回避
- 業務上の必要性
- 証拠保存の必要性
- 社史資料としての活用
3.適切な管理体制を構築
保管方法
- デスク周り、キャビネット、社内サーバーなど、取り出しやすい場所に保管する
- 書類の種類や重要度に応じて、適切なフォルダやファイルに整理する
- 定期的に見直しを行い、不要な書類は廃棄する
保存方法
- 専用の書庫やアーカイブ施設に保管する
- クラウドストレージなどのITツールを活用する
- アクセス権限を設定し、不正アクセスを防止する
- 定期的にバックアップを行い、災害対策を講じる
管理体制の構築
- 文書管理責任者を定め、責任体制を明確にする
- 文書管理に関するルールや手順を策定する
- 社員教育を行い、文書管理の重要性を周知する
適切な保管・保存でリスクを回避し、情報資産を守る
オフィス内の文書を増やさないためのポイントは保管期間です。保管は現年度文書と前年度文書の足掛け2年以内に留め、それ以上の文書は文書庫に移管する。自社の状況を鑑みて具体的な期間を定めたローカルルールを確立するのがおすすめです。
社内文書の保管・保存は、法令遵守、リスク回避、情報資産の保護など、様々なメリットをもたらします。適切な期間と方法で保管・保存を行うことで、企業の健全な経営基盤を築くことができます。